のり弁当 - 漫画の感想ブログ -

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ついに突破口を見つけた主人公・矢口八虎 漫画『ブルーピリオド』3巻

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『ブルーピリオド』3巻より

 少々、ネタバレも含まれるので注意!

 美術部の森先輩が描いた絵を見たことによって美術の世界に引き込まれた主人公・矢口八虎(やぐち やとら)は、まったくの素人ながらも普通高校の美術部に入部し、超難関校・国立東京藝術大学への進学を目指して、夜間の美術専門学校へ通いながら孤軍奮闘するのが2巻までの話。

 ゼロからスタートの主人公・八虎に残された大学入試までの日数は、あと360日。大学受験方式で、専門学校では毎日のように出されるテーマを、これまで学んで来た様々な技法を使って苦悩しながら絵を描き続ける彼だが、技術やテーマの捉え方に対して進歩はしているものの、出口の見えない真っ暗なトンネルを手探りで進むかのごとく、何が答えなのかを見つけることができないまま日が過ぎて行く。

 その主人公・八虎はひょんなことから、森先輩が通う武蔵野美術大学へ行くことになるが、そこで先輩が描いた絵を見て、ついに「絵を描くとはどういうことなのか」という答えを見つけることになる。そしてその後、高校の美術部で描いた絵は顧問の佐伯先生を驚かせ、また、専門学校の先生をも納得させることになる。


 美術部の顧問の佐伯先生の言葉。

美術は言葉のない言語

 
 コミックス1巻目で八虎が描いた「青い渋谷の街」で、みなに褒められた彼だが、学校の成績も8割程度の力で優秀な成績を収めてしまう頭の良さがあるにも関わらず、どうしても絵を描くことの本質を見抜けず突破口を見つけることができずに苦悩していたのだ。

 主人公の眼に映るもの、イメージ課題として出される言葉で脳裏に浮かぶもの。これまでの八虎は美術における「言葉のない表現」を、つまり美術の本質を理解できないまま、技法のみで絵を描いていた。テーマに対して絵画を通して「言いたいこと」が不明快なまま絵を描いていたということなのだ。

 ひとつの絵は「何を言おうとしているのか」。逆に「何を言いたいがために絵を描くのか」。美術に関わらず「表現する」という芸術。絵画、音楽、演劇、写真など、それぞれの技法は違っても「表現する」ということの本質に「何をいいたいのか」という、ある種の主張があり、それが相手に伝わるかどうか。これが芸術の良し悪しを決める根底で、それをテクニックを使って表現するのだ。

 美術の本質を見極めた主人公・八虎は果たして見事に藝大に進学することが出来るかどうか!?

 コミックス1巻の感想はこちらに書いてます。

ibukiyama.hatenablog.com


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