のり弁当 - 漫画の感想ブログ -

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漫画『僕と君の大切な話』  1巻 感想

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 漫画『僕と君の大切な話』第一巻。作者は、ろびこさん。男女それぞれの不思議さを、互いの立場から主張しあいつつ物語を展開するラブコメ作品。

 高校二年生の東 司朗に想いを寄ている、男子から美人と評される同学年の相沢 のぞみは、学校帰り、駅のホームのベンチで胸の内を告白するのだが、予想もしていなかった彼の返事に驚いてしまう。突然の彼女の告白に対して彼は、驚いたり嬉しがったりすることもなく、男とはどのような考え方をしているのかを淡々と説くのだ。東 司朗は自己啓発本を愛読し、その落ち着き払った態度はクールそのもの。非常に論理的な思考をし、女性からの告白に対しても動じることなく理路整然とした会話で対応をする。

 結局、相沢 のぞみは彼に告白したものの、予想外の返事だったこともあり、とりあえずその後も、駅のホームのベンチで彼と会話を続ける。そして徐々に親しくなっていく二人なのだが、ただ、東 司朗は時々、毒舌をふるう。特に女子の筋の通らない言動に対して熱くなって語ってしまうのだ。

 何気ない彼女の、ある話題に満を持して自論を展開する東 司朗。「女は男を値踏みし、男の行動にダメ出しをし、女の女による女のための断罪裁判するのだ!」。反論は許さないといわんばかりの彼の女性を批判する発言。過去に女性との間で何か辛いできごとがあったのかと尋ねる相沢 のぞみだが、いったい東 司朗は、どうしてここまで女性を非難するのだ。ただし、彼はこれまで女性と付き合ったことがないことを告白しているのだが。

 しかし、そんな東 司朗も作品の後半では、相沢 のぞみの的確なアドバイスによって、別人なのではないのかと思えるくらい女子に対してチャラい男になってしまうシーンもある。

 男子からみた女子の不可解さは、作品前半に東 司朗が代弁している。女性ものの漫画であるが、男性読者が読んでも思わず納得する話である。ただ、彼がここまで女性の言動を細かくチェックしている点については、気味が悪い気もするが。

 時折、相沢 のぞみの予想外の態度に慌ててしまう東 司朗は、大人びた理論派に見えながらも、実は高校三年生なのだと茶目っ気たっぷりに描かれていて、その落差は実にコミカルだし、相沢 のぞみのストーカーさながらの行動にびっくりする彼の様子も面白い。

 作中、東 司朗は男女にどれだけ違いがあっても、たとえ別の星の人間同士だったとしても言葉によって会話する意義の大切さを唱えている。会話する以外にお互いを理解する方法はないと言うことだろうか。大人びた態度で、かなり論理的な考え方をしながらも、雄弁にして毒舌をふるう、少々、デフォルメされたキャラの東 司朗と、美人だがやや内気で、ストーカー気質も多少ある相沢 のぞみ。この先、二人はどうなっていくのだろうか。それにしても東 司朗はおしゃべり過ぎる。やたらと言葉の多いキャラなのである。

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